リハビリ通信3
~骨粗鬆症~
その腰痛、本当にただの腰痛?骨粗鬆症かもしれませんよ?
京命クリニックです。春の陽気が感じられる時期になってきましたね。
第3回の京命リハビリ通信は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)についてです。
骨粗鬆症とは
骨量の減少と骨微細構造の悪化の結果、骨が弱くなり骨折しやすくなってしまう全身性骨疾患。
つまり、骨の内側がスカスカになり、もろく折れやすくなる病気です。
なぜもろくなるのですか?
骨の中では常に古い骨は削られて体内に吸収され、代わりに新しい骨が作られています。
この入れ替えのバランスが崩れてしまい、新しく骨が作られる量よりも吸収されてしまう量が多くなると、骨の密度が低くなり骨がもろくなってしまいます。
なぜバランスが崩れるのですか?
一般的には加齢に伴うホルモンバランスの変化によるものが多く、特に閉経後の女性に多いです。ただ、若い方でも極端なダイエットや運動不足、長期のステロイド剤の服用などが原因でなることもあります。
また、アルコールやカフェインの多飲、喫煙、日照不足なども原因となります。
自分が骨粗鬆症かどうすればわかりますか?
一般的に自覚症状はなく、外見上での判断はできません。
最寄りの整形外科に受診し、レントゲン等の検査により調べることができます。当院でも検査を行っています。
正常なバランスの取れている骨
バランスが崩れて弱くなった骨
骨粗鬆症になると骨がもろくなる為骨折しやすくなりますが、中でも特に多いものが四種類あり「四大骨折」といいます。
四大骨折とは
- 手首の骨折(橈骨遠位端骨折)・・転びそうになり手をつき折れる
- 肩の骨折 (上腕骨外科頚骨折)・・同上
- 腰の骨折(脊椎椎体圧迫骨折)・・尻もちをついて背骨が潰れる
- 股の骨折(大腿骨頚部骨折)・・横に倒れ股の辺りを打って折れる
があります。
腰の骨折に関して言えば最近は「いつのまにか骨折」と呼ばれ自分が気付かない間に背骨が潰れていることもあります
「いつのまにか骨折」は最近よく聞きますもんね。骨折はしたくないですね・・。
予防はできるものなのですか?
骨折しない身体作りを日ごろから行うのが大切です。いくつかその体操を紹介します。
1、片脚立ち
*フラつく場合は、片手もしくは両手で何かに捕まりましょう。
2、立ち上がり
毎日30回イスから立ち上がる。
*イスの高さが高い程、楽に立ち上れる。
*上級者は30cmくらいの高さから!!
3、立って足踏み
その場で足踏みをする。
太腿は高く上にあげる。1分間ほどの時間で良い。
*不安な方は何かに掴まってもOKです。
4、踵上げ
壁などに手を置き、両足を揃え踵をあげる。
回数は30回を目安とする。
*上級者は片足で行ってもOKです
自分自身で身体を動かすことが大切なのですね。
また、東洋医学では骨の生育には「腎」が深く関係していると言われています。「腎」とはいわゆる「腎臓」のことですが、東洋医学と西洋医学では、その働きの捉え方が異なります。東洋医学での「腎」は全身の健康と深くかかわっていると考えられる為、毎日の食事、睡眠、ストレスなどの日常生活から影響される元気を生み出す場所になっています。
何かおすすめの食べ物はありませんか?
「腎」を元気にする食べ物として
- 木の実類:クルミ、松の実、クコの実、桑の実など
- 粘り、渋みのあるもの:山芋、蓮の実、銀杏、もち米、牡蠣など
- 温性のあるもの:エビ、ニラ、シナモン、ヨモギ、ショウガ、肉類など
- 塩味のあるもの(自然の塩味):なまこ、昆布、海苔、その他海藻類など
- 黒いもの:黒豆、黒ゴマなど
があります。
「腎」元気にするツボは?
湧泉(ゆうせん)という足の裏にあるツボを毎日マッサージする習慣をつけましょう。手の親指を使い7秒位で気持ちのいい程度で圧迫してみましょう。また青竹ふみも有効です。
2~3週間経ってからにレントゲンではっきり映ることもあります。尻もちをついたりしたら一度調べてみましょう。
何か不明な点や、わからないことは診察、リハビリスタッフにお尋ねください。
今回のお話は以上です。次回は5月発行予定です。
またお会いしましょう。